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久保の石田流 レビュー

久保の石田流
久保の石田流久保 利明

毎日コミュニケーションズ 2011-03-24
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※画像をクリックするとアマゾンでのレビューを見ることが出来ます。

北野のおすすめ度:★★★★☆

現在最高の石田流の使い手であろう、久保利明二冠の石田流の定跡書です。将棋世界の連載を大幅加筆したもので、非常に注目度も高く、定跡書が少ない石田流についてリードしていく存在になると思います。


●各章の説明
★1章 石田流の入り口
▲7六歩△3四歩▲7五歩に対して後手の取る4手目のパターンは5つとして、8四歩・4二玉・6二銀・5四歩・8八角成があり、それぞれについての概略の章です。角交換振り飛車には角交換からの△4五角問題というものがつきまとうのですがその解決方法と、なぜ3手目▲7八飛はないのかについても書かれています。


★2章 升田式石田流の基礎知識
その名のとおり升田幸三第4代実力制名人が開発した升田式石田流についての章です。後手が4手目から△8四歩~△8五歩と伸ばすと通常の振り飛車なら▲7七角または▲7六飛と後手の飛車先を受けたくなるものですが、受けずに7手目▲4八玉がなぜ成立するのか、またそこから5つの狙い筋はどんなものか、丁寧に解説されています。そして後手居飛車の最善策は何かについても詳しいです。

★3章 早石田定跡
初心者泣かせの早石田定跡についてです。先手の石田側が▲4八玉を入れてから▲7四歩として同歩なら▲2二角成~▲5五角と飛車銀両取りに持ち込む例のものですが、これを後手居飛車が正しくうければせいぜい互角との結論で、久保二冠ならここでどう指して先手十分にするのかの解説です。


★4章 鈴木流急戦
鈴木大介八段の開発したもので、升田賞を取った早石田定跡よりさらに早く7手目で▲7四歩と突くものです。一時期プロでも猛威を振るったようですが、対策が進み、今はあまり指されなくなったようです。私の記憶にあるのは去年(2010年)の順位戦B1鈴木大-佐藤康戦です。この章は先手の有効な手段を研究とされており、アマ向けの新対策は勝てる石田流で学べます。

★5章 久保流急戦
第2章の早石田定跡を久保二冠がさらに改良し、こちらも升田賞を取りました。早石田の▲7四歩を後手が△同歩と取れば先手良しとなりますが、取らずに△7二金と後手が指した時の対応はどうなるか。現状は先手から千日手が精一杯となった理由は石田を使う側は知っておくべきでしょう。

★6章 その他石田流
・後手が飛車先を△8五歩と決めてくるのが石田流に対する居飛車の最強の反発ならば、後手が石田流本組を組ませる代わりに持久戦模様に組んできたときの対策です。「棒金」「左美濃」「居飛車穴熊」「3手目5四歩からの居飛車」に対する解説です。

★7章 後手の石田流
なぜ、後手が2手目~4手目に△3五歩とする後手石田流がプロレベルでは指されなくなったのか、では後手から自然に石田流へ組める2手目3二飛の現状はどうなのか。せいぜい互角から苦しい理由について理解できます。

★8章 最新の石田流
▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩の出だしからの最近の新手である
・▲7四歩△同歩▲4八玉(久保新手)
・▲7四歩△同歩▲5八玉(稲葉新手)
・▲7六飛(菅井新手・・・ただし江戸時代には記録に残っていた)
について、簡単に解説があります。


★9章 実戦編
久保二冠の8つの石田流の対局ポイントとその棋譜が掲載されています。

●北野の感想など

星を一つ減らした理由は
・2手目△3二飛戦法に24ページ使うのであれば、全面カットで先手石田流の解説に回すか、もっと詳しく書いて欲しい
・本書だけでは△8四歩~△8五歩に対する升田式石田流は最善策をとると手詰まりで、鈴木流・久保流なども現在有効な手段ではなく、現在進行形にはさらっと触れているのみ
この2点です。と言っても特に後者は定跡書としては必要なものでもあるので難しいところです。

将棋世界2011年6月号の記事にて「まずは升田式石田流をしっかり理解して欲しい」と久保二冠はおっしゃっています。あくまで本書のみでの評価ですので、久保二冠の「思い」を知っていれば星は5個で問題ないものです。実際、升田式石田流は後手居飛車に最善の手段を取られると苦しくなりそうですが、そこに到るまでミスなく指せるアマチュアのレベルは相当な所のものでしょう。ならば、まずはベースとなっている升田式をしっかり理解する事が重要ということがわかりました。

私自身はずっと石田流の勉強はしており、鈴木大介八段の著書を並べてみて実戦でも導入したことはあるのですが、中飛車ほどは指せないでいます。鈴木八段の本が物足りないというわけではないというのは予めお断りしておきますが、石田流は1手の違いや構想の取り方が大きく響く戦法だということがこの本を何度も並べて理解できました。

ネット将棋の「石田党」はゴリ押しで切れたら終わりというパターンをよく見るもので、私もそのような意識でしたが、繊細な戦法ですので一手一手の意味を理解しておかないとうまい相手には切らされたり手詰まりに持ち込まれるようです。逆に言えばそれを理解していれば、プロで流行しているようにどこまでも通用する戦法なのでしょう。

石田流を指すためにまず最初の一冊とするには、普段振り飛車を指している人でも将棋倶楽部24で10級以上は必要ではないかとは思います。ただ、石田流の本は結構高度なものが多く、またこの本には「右四間飛車」や「銀冠」対策はありませんし、「棒金」対策も足らないと思いますので、鈴木大介八段の勝てる石田流石田流の極意―先手番の最強戦法 (振り飛車の真髄)を比較して、自分に合いそうなものを選べばいいでしょう。

このレビュー時の棋力:将棋倶楽部24初段
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